がん性疼痛
概要
がん性疼痛は、①がん自体の痛み、②がんの治療によって生じる痛み、③がんに関連した痛み、などがあり程度によって治療薬を使い分けます。
非オピオイド
①アセトアミノフェン
・胃腸障害や腎障害を起こしにくい
・作用時間は短く、4~6時間毎に追加投与することが多い
②NSAIDs
・抗炎症、鎮痛、解熱効果は強いが、消化器症状や腎障害を来すことがある
・胃潰瘍や十二指腸潰瘍予防のため、抗ヒスタミン薬やプロトンポンプ阻害薬を同時に内服
弱オピオイド
①トラマドール
・オピオイド受容体に作用し、鎮痛効果をもたらす
・副作用に嘔気、便秘、眠気がある
②コデインリン酸
・鎮咳、鎮静、鎮痛、下痢症状改善の作用を有する
・コデインリン酸散1%やコデインリン酸錠5mgは非麻薬
・コデインリン酸原末、コデインリン酸10%、コデインリン酸20mgは麻薬
・1/6程度が体内でモルヒネに変換される
・モルヒネの強さを6とすると、コデインリン酸は1程度である
強オピオイド
①モルヒネ
・肝臓で代謝され、モルヒネ-6-グリクロニド(MG6)とモルヒネ-3-グリクロニド(MG3)に代謝
・呼吸困難感にも有効
・副作用に嘔気、便秘、眠気、呼吸抑制がある
②フェンタニル
・肝臓で代謝され、尿中や便中に排泄される
・腎機能低下時はモルヒネより使いやすい
・副作用はモルヒネと同様
・貼付剤の場合は、効果を発揮するまでに24時間必要
③オキシコドン
・肝臓で代謝され、尿中に排泄される
・腎機能低下時はモルヒネより使いやすい
・副作用はモルヒネと同様
④ヒドロモルフォン
・肝臓で代謝
・腎機能低下時はモルヒネより使いやすい